2016夏、東北の旅。

山形県山形市 山形城(霞城)へ。。。
重要文化財 「旧済生館 三層楼」を見学するため 山寺から駆けつけました。

まずは、山形城址を見学。
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山形城を居城とした、最上氏の始祖 「最上兼頼」の銅像をパチリ。
日本足の馬に跨った鎧武者の姿です。 
この銅像の姿は、バランスが難しいのですが良くできていますね。

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お城は無く、発掘調査の続く堀と石垣。
それと、再建された
「二ノ丸東大手門」のみです。
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二ノ丸東大手門は、平成3年3月、史実に従い 木造で復原され、今では名所の一つとなっています。
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これだけですか。
そっけない名所ですねw
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石垣の見どころは、突き出た角に整然と積まれた切石。
石工の腕の見せ所です。ここのは、実に美しく積まれています。
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霞城・山形城址内、済生館 三層楼(現 山形市郷土館)に到着。
35年前に存在を知り、ずっと 見に来たかった建物。 
ついに辿り着きました。
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明治11年2月着工、同年9月竣工。
明治初期の洋風建築として 名高い建造物です。
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三層構成の洋風の楼建築。
西洋古典建築の様式ルールを無視(知らなかった?)した ドリス式の列柱。
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八角形の平面を持つ楼と 中庭を持つ背面の十四角平面の回廊からなっています。
足もとは、ギリシャ・ローマの古典建築を思わせます。
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初代県令(知事)三島通逓が、明治政府の方針に則り、開化を象徴する公立病院として建設しました。
当時の医療・病院の知識を日本中から掻き集めた集大成です。
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通風に配慮した窓のディテールは、地場産業の木工細工の粋を集めて制作されました。
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現在の天童家具に通じる 木工技術が見て取れます。
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明治時代、欧州の知識がほとんどない中、このデザインを山形の木造大工が行ったとは、奇跡と言ってよいでしょう。
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3階は、前面(お城側)に広いベランダが突き出ています。
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外壁は、イングランド発祥のデザイン・下見板貼。
使用している 断面が長方形の杉板を制作するには、欧州から 高価な製材機械が導入されました。
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中庭。
和風の庭園です。
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禅宗を思わせるデザインが散見。
見事なまでの 和洋折衷様式。

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吹き放しの回廊(廊下)。
ここの壁と天井のみ 漆喰塗です。
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丹塗りの柱と 青く塗られた洋風の手すりの対比が美しい。
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1階から2階へ向かう階段。
チーク材ですか。
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ドアの上には、明かり取りで ステンドグラスの入った 丸いドーマー窓が設けられています。
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2階から3階へ向かう階段。
この繊細な 金属製の手摺は、誰が制作したのでしょうか。素晴らしいです。
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往時の医療器具が展示されています。
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天井からぶら下がるのは、手術用の無影灯。
明治時代に これを考案し、制作した人が 山形にいたとは・・・
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この建築は、まさに 明治の奇跡。
文明開化の「プロジェクトX」。
いつまでも 大切に残して 受け継いで欲しいものです。

では、また、明日~~♪